就活リセマラしました ◇ 第３話

リセマラとは
リセットマラソンの略語である。
リセマラ - ニコ百 https://dic.nicovideo.jp/id/5330304
(ニコニコ大百科から引用)

 

▪️ 人事部長面談①

突然の辞職から

本社での人事部長面談

フロアですれ違う社員の視線が痛い...

みなさん口には出さずとも

（こいつが噂の...）

（どの面下げて来たんだ...）

という台詞がビシバシ伝わってきます

廊下ですれ違った社長に

挨拶をするもガン無視

張り詰めた空気の中

控え室に通され、人事部長を待つ間

（早く終わらないかなあ〜）

とぼーっと窓の外を眺めていました

10分くらい待ったでしょうか

突然ドアが開き入ってきたのは

（え？人事部長じゃない？）

就活時の説明会を担当していた

穏やかで明るい人事部の人でした

立ち上がって挨拶をするわたしを一瞥し、

向かいのイスにドカッと座ると

｢あのさ、どういうつもり？｣

｢すいませんじゃないよ｣

｢本当さ、おかしいと思わない？｣

えええ〜！？！？

ビビる〜！！！！

いつも穏やかな方だっただけに

ビビる気待ち半分、

これが社会か〜嫌いだな〜

と反骨精神をこじらせる気持ち半分、

なんだか感情的なお叱りを

淡々と聞いていました

舌打ちを残して出ていったあと

入室してきたのは経理のお姉さん

こちらも何も言わず向かいに座ると

冷たい視線を投げかけ

｢やめるんだ？｣

｢ふ〜〜〜〜ん｣

｢まぁ笑 がんばりなよ笑｣

えええ〜！？！？

みなさん何しに来たんですか！？

入社１ヶ月で辞職する常識知らずな新人を

いびりに来たんですか！？わざわざ！？

そんなことしてる暇あったら

仕事してください

というか人事部長は？？

面談に来ただけなのになんだか

とんでもないダンジョンに

迷い込んでしまった気分でした

▪️ 人事部長面談②

送られてきた２人の刺客に

唖然としていると

やっと本命の人事部長が入ってきました

前半のインパクトが強すぎて

面談の内容はあまり覚えていませんが

｢会社に対する迷惑が〜｣

だとか

｢社会人としての自覚が〜｣

といったお説教がほとんどだったと思います

無事に辞表も提出し、

全てを終え本社の最寄り駅で

電車を待っていたときふとに気づいたこと

｢あれ？わたし全然

発言してなくない？｣

社会人経験が乏しいため

退職前面談がどのようなものか

よく分かりませんが、

同じような理由で退職する人が

現れるのを防ぐためにも

辞めたい理由や職場の問題点などについて

話を聞くものなのでは...？

気づけば｢辞める｣ことを非難されるだけで

なんの聞き取りもされずに終わった面談

あ〜、やっぱこの会社

なんかヤバいんだろうな

辞めてよかったな〜

くらいの軽い気持ちで帰路につきました

こうして晴れて新卒入社１ヶ月で

社会人生活とおさらばしたわたしは

生まれて初めて｢ニート｣という

肩書きを手に入れたのです

ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法

つづく